【概 要】
日常生活の中で、自分の意思に反して手や首などが震ふるえることがあります。こういった症状を「振戦(しんせん)」といいますが、寒い時や緊張した時に、誰にでも起こる「生理的振戦」と、何らかの病気の症状として起こる「病的振戦」があります。
病的振戦の中で最も多いのが「本態性振戦」です。本態性振戦は生命に関わったりする心配のない病気です。しかし、日常的に手や声のふるえがあると「人に知られたくない」という恥ずかしさがあるだけでなく、ふるえが原因で毎日の暮らしに不便が生じたり、仕事に支障をきたします。つまり、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の低下をもたらすのです。
本書では、本態性振戦という病気の症状や原因、治療法や予防法について解説します。また、「人間のからだが本来持っている自然治癒力・免疫力を高めることによって症状を改善に導く方法が有効である」という考え方、すなわち「対症療法」でなく、「原因療法」の考え方に基づき、体の機能そのものを根本から正常な状態にもどすことによって症状を改善する考え方を紹介します。また自然の有用成分を活用して「本態性振戦」の症状が改善したという方々の体験談も紹介しています。
内科医 野原良二 監修
メディカルライター 宗方利博 著